産地での商品知識向上研修会
甲府・CISEY工房様
高知・高知珊瑚様
長崎・リベラ商会様

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2013年11月 チセー先生の工房見学 ~甲府・CISEY工房~

冬が近いことを風景で感じられるようになってきた11月。20年以上お世話になっているジュエリーデザイナーのチセー先生の工房を見学してまいりました。今回の訪問では、作品ができるまでの詳しい工程を見せていただくことができ、先生の作品に対しての熱意と、大きな感動を得ることができました。

チセー先生は、1952年東京生まれ。1973年に単身でイタリアに渡られ、9年を過ごされました。その間、ミラノのジュエリーメーカーに勤務され、先生の技術は高く評価されることとなります。特に、1981年英国のチャールズ皇太子への、ロイヤルブライダル献上品の製作によって、頭角を表すこととなりました。1983年に帰国された後は、本場のヨーロピアンジュエリーのテイストを表現できる数少ないデザイナーのお一人として、ご活躍されています。

先生の工房は外壁が黄色に塗られており、遠くからでも大変よくわかる建物でした。工房見学の前には、1番弟子の刈谷さんから、先生の代表的な作品「スカシリング」をご説明いただき、その製作過程や、ダイヤモンドを留める技法をレクチャーいただきました。スカシ柄は、金属の板にドリルで穴をあけ、そこに糸鋸を入れて、少しずつ切りながらレース編みのような仕上がりつくるという、気の遠くなるような細かく繊細な仕事です。この手作りならではの細工が、女性の指を美しく見せていくのだと思いました。

次に、洋彫りの技術を見せていただきました。これはスカシ柄と違い、小刀をもって金属の板を掘っていく手法です。実際に体験をさせていただきましたが、金属が固くなかなかうまく彫ることはできませんでした。この技術においては、刈谷さんがナンバーワンということで、実際にその技をみせていただきましたが、ひじょうに細かい作業を、スピーディーに行われる様子は、すごいの一言でした。

ジュエリーデザイナーの中には、デザインはするけれども、作るのはほかの職人さんという方がおられますが、先生はデザインのみならず、ご自身で1つ1つ作品を仕上げておられます。ご利用になられる方の気持ちになって創作し、最後まで手をかけられているところが、お客様の心をつかんでいるのだということがよくわかりました。


技法・技術の説明

工房の見学前に、チセー先生に工程や技法についてレクチャーいただきました。 金属の板に穴をあけ、糸鋸をつかって、柄を作り上げていきます。 刈谷さんに、直々に洋彫りの技術を教わりました。
 
作品を作られるチセー先生。ご自身でひとつひとつ作品を仕上げておられます。 20年間もステキな作品を提供していただいているチセー先生に感謝!  

翌日は、チセー先生と刈谷さんの運転で、昇仙峡へ連れて行っていただきました。日本一の渓谷美を誇る昇仙峡の、この時期の見どころは紅葉です。自然の素晴らしい情景にあわせて、世界遺産に選ばれた富士山をも眺めることができたのは、ほんとうに感動的でした。また、甲府はブドウの産地でもあります。駅の近くのワイナリーでは、地下の蔵の中で熟成され、おいしさを増しているワインの数々を見せていただきました。

この度のご訪問では、チセー工房の皆様のおかげで、先生の作品を深く理解することができ、甲府らしさも感じることができました。当社では、何人ものジュエリーデザイナーの先生とお仕事をさせていただいておりますが、20年以上のお付き合いは、チセー先生だけです。その理由は、アフターフォローもさることながら、時代を超えて使い続けることができるデザインであるからではないかと感じています。今回は、ブランド「CISEY」が、自信をもってオススメできるということを再認識できた、すばらしい時間となりました、本当にありがとうございました。

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2013年6月18日、19日 宝石珊瑚の産地研修 ~高知県珊瑚様~

珊瑚研修

エムラ防府・徳山店では、宝石珊瑚の商品知識向上を目的とした、産地研修ということで、 株式会社『高知県珊瑚』様を訪問してまいりました。

日本が世界に誇れる宝石・・・それは『珊瑚』。

深い海の中に生息し、成長に多くの年月を要する貴重な宝石珊瑚は、紀元前から宝飾品などとして洋の東西を問わず、珍重されてきました。ご存知の方は少ないかもしれないですが、珊瑚の主産地である日本では、ほとんどの原木が高知県を通じて出荷されています。 「株式会社 高知県珊瑚」様は、トップクラスの品質の珊瑚のみを過去20年以上入札し続け、日本で唯一、スイスバーゼル市で毎年開催される世界最大級の時計宝飾見本市竜馬像『バーゼルワールド』にも4年連続出展しておられる企業です。

今回訪問した際には、そのバーゼルワールド出品のジュエリーなど、大変貴重なものをたくさん拝見させていただきました。特に驚いたのは、参加者のほとんどが始めてみた「珊瑚の原木」。なんと、手のひら大に成長するには、800年もの歳月を要するということでした。参加した社員からは、驚きの声があがりましたが、同時に永く生きぬいた珊瑚への愛情がわいたのではないでしょうか。

珊瑚の勉強会の後は高知観光ということで、桂浜を散策し、太平洋の荒波を眺めながら世界の雄大さを実感し、巨大な竜馬像の前で記念撮影をしました。又、高知といえばカツオのタタキの本場という事で、社員皆カツオのたたきで食べに行きました。
伝統的な調理法である、藁焼きで炙られたカツオのタタキは今まで食べたことが無いくらい新鮮でとても美味しかったです。お勧めは粗塩で食べると素材のよさが引き立ち、思わず高知県に住みたいと思うほどでした(笑)

今回の高知研修で得た感動や知識をお客様にお伝えできるよう、社員一同頑張って取り組みたいと思います。

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2012年2月8日 べっ甲細工発祥の地、長崎を訪ねる ~リベラ商会様~

長崎県は、全国のべっ甲メーカーが集中する加工地です。鎖国時代、海外と唯一の貿易港であった長崎の出島を通じて、べっ甲細工の技術が伝えられ、伝統工芸として発展していきました。今回は、この長い歴史に育まれた匠の技と魅力を探るべく、長崎の工房にお伺いしました。

べっ甲細工は、南方の海域カリブ海と、インド洋の海域に生息しているウミガメの一種「玳瑁(タイマイ)」を原料としています。その黒褐色でまだらのある半透明な甲羅と爪・腹甲を、巧みに加工・細工することで、各種の装飾用具に生まれ変わっていきます。長崎でべっ甲細工が発達したのは、徳川幕府の鎖国によって、海外との貿易が規制される中、唯一オランダ・中国との貿易を行うことができた長崎藩が、原料を容易に入手することができたためです。ここで発達をとげた技法は、その後江戸へと伝えられていきました。現在は、ワシントン条約により、タイマイの輸入が規制されているため、すばらしいべっ甲細工の技術を、後々まで伝えていくことが難しくなっています。

そのような状況の中で、今でも長崎市内に自社工場を構え、熟練した職人が、べっ甲細工を製造しておられる会社があります。それが「リベラ商会」様です。リベラ商会様は、べっ甲メーカーの最大大手として、主力商品のほとんどを自社工場で製造しておられます。この度の訪問では、貴重なべっ甲の数々をみせていただき、奥深いお話もお聞かせいただくことができました。


べっ甲の種類

べっ甲細工の製作工程

作品に必要なあたりをつけて、鋸で切り抜きます。素材のもつ美しさは、この時にきまります。 何枚かの甲羅をつなぎ合わせて、厚みを出します。合わせ時の色合いや模様などを考慮しながら、段取りします。 継ぎ合わせた時にずれないように、プレス工程の前に仮付けをします。熱湯につけると粘着します。
 
素材の特徴を生かしながら、下絵を描きます。工芸家の芸術的センスが反映される部分です。 荒磨きで表面の細かいキズを取り、仕上げ磨きでべっ甲独自の、アメ色の光沢を出します。  

べっ甲細工は、限りある原材料を、職人さんが1つひとつ丁寧に作り上げる、日本の伝統工芸です。1枚のべっ甲は数ミリの厚さですが、それを接着剤を使わず、水と熱と圧力で粘着して厚みを作り出しています。店頭では、出来上がった商品しか見ることがなかったので、このような製造工程を知ることができて、大変勉強になりました。ぜひ、この素晴らしい技術と、べっ甲のよさを、多くのお客様にお伝えしていこうと思っています。

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